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一人旅〜カナダ・バンクーバー編②〜

二日目(バンクーバー博物館&美術館〜ヴィクトリアへ)

3泊5日の旅であまり時間がなかった。3日目はヴィクトリアに日帰りで観光に行こうと思っていたし、4日目はホテルをチェックアウトしたら空港に直行する必要があったから、この日がバンクーバー観光最終日だった。

 

目を覚ますと正午だった。しまったと思いつつも、12時間も平気で寝られる自分に「まだ若いな」と苦笑する余裕はあった。一人故の余裕だった(同行者がいれば、そもそも寝坊することも無かったろうが)。

 

急いでシャワーを浴びて、前日目に入ったラーメン屋で朝食兼昼食を食べた。席について、少ししまったと思った。店内で飛び交う言葉が日本語だったからだ。長居しては旅人の熱が冷めてしまうと、お勧めらしいラーメンを急いで啜って足早に店を出た。少々高めだったが味は完全に日本仕様で美味だった。

 

バンクーバー博物館

Home | Museum of Vancouver

フォールスクリークにかかるグランビル橋を渡ってバンクーバー博物館へ向かった。フォールスクリーク(False Creek)は直訳すると「偽の入江」となる。バンクーバーの歴史を考えたときに、フランス人とイギリス人の「入江」の定義が異なったりしたのだろうか。入植したイギリス人が「入江ちゃうやん」とこんな名前を付けたのだろうか。答えは定かではないが、そんなことを考えながら、少し曇りがちな天気の下グランビル島といった景色を眺めながら歩いていた。

 

グランビル橋より。曇天でどんよりと暗い。

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博物館入り口前の蟹のオブジェ。先住民族ハイダ族の伝承が題材となっている。

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展示はバンクーバーの風土史をテーマにしているようだった。

中でも特に印象に残ったのは"Neon Vancouver, Ugly Vancouver"と銘打たれたネオンサインに関する展示だった。かつては経済発展の象徴だったはずのネオンサインが現在は、光害とでも言うだろうだろうか、景観破壊だと議論になっているようなのだ。ネオンサインにはLEDでは出せない旅人の心を踊らせる光がある。どこかにレトロなバンクーバーを残してくれるような決着に期待したい。

ネオンサインという切り口でバンクーバーの過去と現在を表現するこの展示は大変興味深い。期間無制限の展示だそうだから、是非バンクーバーを訪問する際は立ち寄ってみることをお勧めしたい。

 

バンクーバー美術館

Vancouver Art Gallery

博物館から美術館までは3キロ程の道のりだった。もっと効率的な周り方があるのだろうとは思いつつ、旅程を立てないために余分な動きが多くなる。ただし、余分であっても「無駄」な動きでは無いから良いということにしている。現地の空気に触れてなんぼ、それだけで、いやむしろそれこそが私の旅の楽しみだ。

 

バンクーバー美術館では現代アートの展示をしていた。現代アートに関してはほぼ全く何も知らないという状態だったが、勢いだけで飛び込んだ。

入ってみると、色とりどりの折り紙をちぎって不造作に貼り付けただけの(ように見える)切り絵、絵の具一色だけで書かれた「四角」、色を塗られた便器、スクラップを丸めた物体…と何がなにやらわからないものに囲まれて、早くも出たいような気分になったが、周りに無知を悟られないように顎に手を当てたりしながら、作品と難解な説明文を眺めて辛抱強くしばらく過ごしていた。

 

ふと目に止まる作品があった。ネガを反転させたような毛沢東マリリン・モンローアンディ・ウォーホルの作品だ。以前目にしたことがあるのも要因の一つだろうが、彼の作品だけは琴線に触れたような気がした。

釘付けになって眺めているうちに、ふと「現代アートは、もしかしたら、直感なのかもしれないな」と思った。何も考えることなく、目から入った視覚情報を脳の奥に直接ぶつけるような、そんな見方が必要なのかもしれないと思った。

 

アンディ・ウォーホル紹介文

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少しわかったような気分になったところで出口に到着した。

 

ヴィクトリアへ

次の目的地は直感で決まった。本来翌日行く予定だったヴィクトリアにその日のうちに行ってしまおうと思い立ったのだ。急いでホテルに戻り荷物をまとめると、電車、バス、フェリー、そしてまたバスを乗り継いでブリティッシュ・コロンビア州州都ヴィクトリアに到着した。 夜の潮風が気持ち良かった。

 

ヴィクトリアに向かうBCフェリー。夕方にはすっかり晴れてくれた。

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フェリーの中で予約したホテルにチェックインした頃には21時を回っていた。道路に仰向けに寝て星を眺めたくなるくらい周りには何も無く、ホテルに併設された控えめなネオンサインを灯したバーに入って夕食を取った。ここではMolson Canadianを数杯飲んだ後、ウィスキーを飲んでみることにした。カナディアン・ウィスキーと言えば、20世紀前半に米国で禁酒法が施行された際に飲まれた劣悪な密輸酒というイメージがあったが、実に美味しい酒だった。

一人の旅行者が珍しいのか、マスターも何かと気に掛けてくれた。彼は日本に対する知識はほとんど何も無かったし、反対に彼が好きなF−1に関する知識が私にはなく、話はあまり噛み合わなかったが、はにかみ合いながらお互いネタを探している時間も心地良かった。最後はヴィクトリアのお勧め観光地というなんてことない話題に落ち着いて、しばらくしてホテルに戻った。

 

つづく

 

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